院長です。最近、コロナ禍の不自由な生活を強いられていることによるストレスから、顎関節症になる人が急増しています。顎関節症とは、口を開こうとすると耳の穴の前にある顎関節あるいは顎を動かす筋肉が痛むとか、十分に大きな口を開けられないとか、口の開け閉めで顎関節に音がする、という症状のことを言います。

顎関節症スクリーニング項目

・口を大きく開け閉めした時に、痛みがありますか? はい いいえ

この質問に対する回答が「はい」であり、その痛みが1週間以上続いているなら歯科医院を受診してください。

なお、顎関節症になる原因として現在広く認められている考え方は「多因子病因説」なのです。関節や筋肉に負担のかかる要因はいろいろありますが、その要因一つ一つは小さなものですが、このような寄与因子が多数集まることで症状を発症させるという考え方です。とりわけ多彩な要因としては、行動学的要因があり、この要因は生活や仕事等、日常生活の様々な場面で遭遇するもので、最近の傾向では、この要因から発症が多いようです。

それらの要因がタイミングよくいくつも集まって負担が大きくなり、その人の持っている耐久力を超えると症状が出るというものです。その人の持っている顎関節や筋肉の構造の強弱があります。この構造が頑丈であればさまざまな負担に耐えられるでしょうが、弱い場合には症状が出やくなります。

そして要因の中には、精神的要因もあります。それは不安が持続することで筋肉が緊張し続けて痛みが起きるというものです。コロナ禍でさまざまな環境変化による身体的ストレスは自覚できないうちに影響を与えます。もう一つは、必要ないときにも上下の歯を接触させている(咬み合わせている)歯列接触癖があります。普通、口を閉じているときも上下の歯はかんでいないのですが、口を閉じているときに上下の歯もかんでいるという癖を持っている方が8割近くいらっしゃいます。勿論自覚している方もいらっしゃいますが、自覚していない方も多数いらっしゃいます。このような無意識な癖を自分自身で見つけて、意識して改善できると良いと思います。