院長です。5~6歳前後は乳歯列期に少し6歳臼歯が生え始める時期です。この時期では、まだ歯列不正はあるのか否かはご両親から見て分かりずらいと思います。極端な例では、反対咬合が乳歯列で起きていれば、3歳児検診で指摘されて、分かる場合があります。その他、前突(でっぱ)や叢生(デコボコ)は極端なものを除いて、この時期では分かりにくいものです。

歯列不正は、習癖によっておこる可能性があります。有名な例としては、「指しゃぶりをしていると出っ歯になる」という説明です。上の前歯が口に入れた指によって前方へ傾斜し、口蓋が狭くなるからです。その他にも舌突出の癖は、開咬(前歯が閉じない)を引き起こす可能性があると分かっています。

このように習癖があると歯列不正を引き起こす可能性があるので、小学校に入学する前にその習癖を改善することが出来れば、歯列不正にならない、もしくは歯列不正の度合いが小さくてすむ、かもしれません。そのために最近ではトレーナーという器具が開発されて、夜寝ている間に使用するとよいとされています。

このトレーナーは歯を動かすものではなく、舌の位置を正しくする、唇を閉じるようにする、鼻呼吸をする、等口の周りの動きを正しいものにするのが目的で、その結果ある程度の不正咬合予防になるものです。興味のある方は、一度相談に来てください。