院長です。一般的に歯並びが凸凹であるのはアゴが小さいからだと言われています。では、アゴとは顔の下三分の一のことを言うのでしょうか。漫然とアゴなのでしょう。

歯並びが凸凹状態の場合、アゴの大きさと歯の大きさととの不一致があるとされます、具体的には下の歯列で判定するのですが、奥歯から前の10歯で計測します。その10歯の歯冠幅に対して、それぞれの歯の生えている歯肉の部分を歯槽基底部分のことを指しますが、歯槽基底の長さとの関係で凸凹でもきれいに並ぶか否かを判定します。その差が4mm~5mm以上歯冠幅が歯槽基底に対して大きければ抜歯となります。

成長期の子供を歯科矯正治療をする場合に、成長中であるため体は大きくなります。当然顔も三次元的に成長します。骨の成長を伴いますから歯槽基底の部分もおおきくなってもよいはずですが、歯が生えるとその部分の歯槽基底骨は大きく成長することはなくなるので、身長が伸びて体幹の骨は伸びて大きくなってもアゴは変わらず歯並びは凸凹のままなのです。その結果、顔が大きくなる時は歯の周り以外の骨が大きくなって、凸凹は変わらない状態を維持するのです。

最近では、床矯正装置、あるいは拡大床と呼ばれている歯科矯正装置を成長期に応用すると、歯槽基底骨、いわゆるアゴが広がると言われています。歯槽基底骨が広がると先ほど歯冠幅との不調和が解消される、歯槽基底部が歯冠幅の合計だいたい一致していることを意味します、抜歯をしなくてもよい場合が出てきます。私も、この拡大床はよく使っています。拡大low